メンター制度の内製化

メンター制度では、100%を外部の専門家に依頼するという例は少ないと思います。メンターについては社内スタッフに担ってもらうことは多いと思います。ここでは、メンタリング、研修実施、制度の構築・運営などに、外部の専門家を、可能な限り依頼しないというイメージで解説していきます。

 

【内製化のメリット】

1.コストが低減できる

内製化の大きな理由の一つでしょう。確かに、目に見えるコストは抑えられるかもしれません。しかし、その効果や迅速さを考慮すると、専門家の知見やノウハウの活用は、社内スタッフの時間的、心理的負担など、目に見えないコストを大幅にを抑えることになります。自社内の内製化にこだわらず、専門家の相談の機会や教材は、上手に活用しましょう。

 

2.組織の状況を理解している

専門家がメンター制度を導入する際は、その組織の組織編制、業務内容、社内風土、各社員の資質などを理解することが必要です。社内スタッフは、組織の状況を具体的に理解し、実感していますので、それは内製化の大きなメリットです。

しかし、組織の課題や問題については、身近すぎてかえって理解しにくかったり、他の組織と比較しづらかったりして、本当の課題や、背景に潜む問題が捉えにくいことも考えられます。その際は、専門家の活用も念頭に置いていて良いでしょう。

  

3.内製化のプロセスが組織の資産となる

メンター制度の構築および運用の経験は、そのスタッフの大きな糧となり、組織の資産となるなるでしょう。日本メンター協会でも、メンター制度の運営は、導入してから数年後は、できるだけ組織内で対応できるよう指導しています。

また、拙速にメンター制度を導入しようとすると、形ばかりのメンター制度になりがちです。結果的に、組織に受け入れられない事態になりことも考えられます。 少なくとも、3年先まで見据えて導入するようにしてください。

 

4.手軽に導入が始められる

内製化の一番のメリットと考えています。コストが伴わないのであれば、組織の了解も得やすいでしょう。その際は、部署やエリアを限定して、試験的にメンター制度を導入することをお勧めしています。

実際に、内製化でメンター制度を導入した経験のある組織は、当協会でメンター制度導入・運営を指導する場合など、そのチャレンジした経験を活かして、効果的なメンター制度の導入・運営が進められているイメージがあります。  

 

 


【メンター制度 構築のポイント】

1.目的を明確にする

メンター制度の一番大切なことは、制度導入の目的を明確にすることです。目的が決まらないと、メンター、メンティの選定ができないと思います。まずは、組織の課題や問題を整理・分類し、その背景や要因を抽出していきましょう。そうしていけば、目的も明確になっていきます。目的が明確になれば、組織の実情に合わせ、当該者を選定し、期間やメンタリング回数も定まってくるでしょう。

 

2.メンターとメンティーの信頼関係をつくっていく

メンタリングがよいものにならなければ、メンター制度は意味ありません。いいメンタリングとは、自由に、感じたこと、思ったことが話し合えることです。自由に話し合えることで、不安や疑問に感じたことを話ができるのです。そのためには、メンターとメンティーの信頼関係が必要です。2人の信頼関係が醸成できるように、メンター制度を設計することが、大変重要なポイントです。

 


【内製化のサポート】

100%を内製化で、メンター制度を導入・運営することは、意外に難しいと感じています。過去、内製化で導入したものの順調に進んでいない組織を、これまで何社も見ています。

内製化といえども、ある程度は、専門家のサポートも考慮してもいいでしょう。

以下に、内製化のサポートを紹介します。  

 

1.メンタリング教材・支援ツール

メンタリングは、「自由な対話」といっていいでしょう。しかし、「自由に話す」といっても、なかなか難しいものです。メンターに任じられた人にとっては、大きなハードルと感じる人も多いと思います。メンタリングを効果的にリードしてくれるようなメンタリング教材は助かるものです。

制度担当者にとっては、メンター制度を構築・運営するための書籍・テキストなどは手元に欲しいものです。

日本メンター協会が監修したメンタリング教材や、制度担当者が、メンター制度を管理するためのツールがありますので、

参考に紹介します。 

8回分のメンタリングができるノートです。

メンタリングが進むにつれて、2人の信頼関係が醸成されるようにデザインされています。

スマホで手軽に効果的なメンタリングができます。

制度担当者には、各ペアのメンタリングの実施状況が、パソコンで一元管理できる支援ツールです。


2.メンタリング関連セミナー

 セミナーの受講は、メンター制度の参加者が少数の場合、よく活用されています。また、受講者が習得したことを組織に還元できれば、コストが抑えられます。セミナーは専門家が直接指導しますし、その場での質問も可能です。担当者にとっては、メンター制度の理解促進につながります。また、メンタリングは、そのやり方を頭で理解するよりは、ポイントを実感することの方が大切ですので、セミナー受講は効果的です。

セミナー受講を選択する際は、そのセミナーの対象が、メンター制度担当者向けなのか、メンター向けなのかを、確認するようにしてください。 

 

基本的なメンタリング・スキルとメンタリングの概念を理解します。メンティーと共に参加すると、信頼関係をつくる第一歩となります。

メンター制度導入・見直しのポイントを解説します。メンタリングワークの体験から、メンタリングの本質を実感します。内製化のスタートとしてください。


3.公的助成金

 公的助成金は、内製化のサポートといえますが、こちらで紹介します厚生労働省の助成金は、専門家によるサポートが条件になっています。

 

■厚生労働省 雇用管理制度助成コース 

 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000617722.pdf

 

メンター制度で活用できる助成金は、他にもあると思いますが、いろいろな条件はあるようです。また、毎年変更されたり、新設・廃止があったりしますので、必ず、管轄する団体に確認するようにしてください。

 

当サイトでも、ご案内しています。

 

 

【日本メンター協会】

            

Tel 03-6264-1191            

Mailm-jimukyoku@mentor-kyoukai.jp

 

 

 

 



「メンター制度 導入・見直し 参考資料」

をご希望の方は、こちらをクリックしてください。 

ダウンロード申込フォームに移動します。

当サイトに掲載されていない情報がございます。