メンター制度では、100%を外部の専門家に依頼するという例は少ないと思います。メンターについては社内スタッフに担ってもらうことは多いと思います。ここでは、メンタリング、研修実施、制度の構築・運営などに、外部の専門家を、可能な限り依頼しないというイメージで解説していきます。
内製化の大きな理由の一つでしょう。確かに、目に見えるコストは抑えられるかもしれません。しかし、その効果や迅速さを考慮すると、専門家の知見やノウハウの活用は、社内スタッフの時間的、心理的負担など、目に見えないコストを大幅にを抑えることになります。自社内の内製化にこだわらず、専門家の相談の機会や教材は、上手に活用しましょう。
専門家がメンター制度を導入する際は、その組織の組織編制、業務内容、社内風土、各社員の資質などを理解することが必要です。社内スタッフは、組織の状況を具体的に理解し、実感していますので、それは内製化の大きなメリットです。
しかし、組織の課題や問題については、身近すぎてかえって理解しにくかったり、他の組織と比較しづらかったりして、本当の課題や、背景に潜む問題が捉えにくいことも考えられます。その際は、専門家の活用も念頭に置いていて良いでしょう。
メンター制度の構築および運用の経験は、そのスタッフの大きな糧となり、組織の資産となるなるでしょう。日本メンター協会でも、メンター制度の運営は、導入してから数年後は、できるだけ組織内で対応できるよう指導しています。
また、拙速にメンター制度を導入しようとすると、形ばかりのメンター制度になりがちです。結果的に、組織に受け入れられない事態になりことも考えられます。 少なくとも、3年先まで見据えて導入するようにしてください。
内製化の一番のメリットと考えています。コストが伴わないのであれば、組織の了解も得やすいでしょう。その際は、部署やエリアを限定して、試験的にメンター制度を導入することをお勧めしています。
実際に、内製化でメンター制度を導入した経験のある組織は、当協会でメンター制度導入・運営を指導する場合など、そのチャレンジした経験を活かして、効果的なメンター制度の導入・運営が進められているイメージがあります。
メンター制度の一番大切なことは、制度導入の目的を明確にすることです。目的が決まらないと、メンター、メンティの選定ができないと思います。まずは、組織の課題や問題を整理・分類し、その背景や要因を抽出していきましょう。そうしていけば、目的も明確になっていきます。目的が明確になれば、組織の実情に合わせ、当該者を選定し、期間やメンタリング回数も定まってくるでしょう。
メンタリングがよいものにならなければ、メンター制度は意味ありません。いいメンタリングとは、自由に、感じたこと、思ったことが話し合えることです。自由に話し合えることで、不安や疑問に感じたことを話ができるのです。そのためには、メンターとメンティーの信頼関係が必要です。2人の信頼関係が醸成できるように、メンター制度を設計することが、大変重要なポイントです。
100%を内製化で、メンター制度を導入・運営することは、意外に難しいと感じています。過去、内製化で導入したものの順調に進んでいない組織を、これまで何社も見ています。
内製化といえども、ある程度は、専門家のサポートも考慮してもいいでしょう。
以下に、内製化のサポートを紹介します。
メンタリングは、「自由な対話」といっていいでしょう。しかし、「自由に話す」といっても、なかなか難しいものです。メンターに任じられた人にとっては、大きなハードルと感じる人も多いと思います。メンタリングを効果的にリードしてくれるようなメンタリング教材は助かるものです。
制度担当者にとっては、メンター制度を構築・運営するための書籍・テキストなどは手元に欲しいものです。
日本メンター協会が監修したメンタリング教材や、制度担当者が、メンター制度を管理するためのツールがありますので、
参考に紹介します。
8回分のメンタリングができるノートです。
メンタリングが進むにつれて、2人の信頼関係が醸成されるようにデザインされています。
スマホで手軽に効果的なメンタリングができます。
制度担当者には、各ペアのメンタリングの実施状況が、パソコンで一元管理できる支援ツールです。
セミナーの受講は、メンター制度の参加者が少数の場合、よく活用されています。また、受講者が習得したことを組織に還元できれば、コストが抑えられます。セミナーは専門家が直接指導しますし、その場での質問も可能です。担当者にとっては、メンター制度の理解促進につながります。また、メンタリングは、そのやり方を頭で理解するよりは、ポイントを実感することの方が大切ですので、セミナー受講は効果的です。
セミナー受講を選択する際は、そのセミナーの対象が、メンター制度担当者向けなのか、メンター向けなのかを、確認するようにしてください。
基本的なメンタリング・スキルとメンタリングの概念を理解します。メンティーと共に参加すると、信頼関係をつくる第一歩となります。
メンター制度導入・見直しのポイントを解説します。メンタリングワークの体験から、メンタリングの本質を実感します。内製化のスタートとしてください。
公的助成金は、内製化のサポートといえますが、こちらで紹介します厚生労働省の助成金は、専門家によるサポートが条件になっています。
■厚生労働省 雇用管理制度助成コース
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000617722.pdf
メンター制度で活用できる助成金は、他にもあると思いますが、いろいろな条件はあるようです。また、毎年変更されたり、新設・廃止があったりしますので、必ず、管轄する団体に確認するようにしてください。
【日本メンター協会】
Tel :03-6264-1191
Mail:m-jimukyoku@mentor-kyoukai.jp
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