メンター制度は、離職防止やメンタルヘルス対策、コミュニケーションの活性化を目的として導入されることが多いですが、OJTを組み入れる例もあります。OJTとメンタリングは先輩後輩の対話なので、一見似ていますが、求められるところに結構違いがあり、その導入の際は注意が必要です。
今号では、メンター制度にOJTを併用するための留意点をご案内します。。
《OJTとメンタリングの違い》
◆OJTとは、答え(仕事の技術・知識)と課題(習得するもの)が明確に決まっており、それを教えること
・指導者と被指導者の関係が、教える・教わるの関係となり、上下関係のコミュニケーションスタイルになりがちである。
・被指導者が受け身なりがちで、積極的に質問や意見を言わないこともある。
・指導者と被指導者の間で、遠慮や気遣いがあり本音で話し合えないことがある。
・話し合う内容は仕事に関することが中心となり、プライベートの話をすることはあまりない。
◆メンタリングとは、答えや課題は決まっていない、対話を通して、答えや 課題に気づいたり、共に創ったりしていくこと
・メンターとメンティーが対等な関係を目指し、本音で話し合うことが求められる。
そのため、何でも話し合える信頼関係を作ることが大切である。
・話し合うテーマは自由。仕事関係以外のプライベートのテーマ話し合っても、雑談をしても良い。
・メンターがメンティーに相談することも大いに奨励されている。
《メンター制度にOJTを併用する場合の留意点》
◆メンターとメンティーの信頼関係をつくる
・OJTにおいても、メンターとメンティーの信頼関係をつくることは効果的です。
・仕事の話だけではなく、プライベートの話をすることも、互いに話しやすくなる雰囲気がつくれます。
・仕事の話でもプライベートの話でも、まず、メンターから自己開示して話すとよいでしょう。
・特に、メンターの失敗談や自分の弱みなどを話すことで、メンティーは本音を話しやすくなります。
・メンターがメンティーに質問や相談をすることで、2人の関係はより深まることが期待できます。
◆OJTとして教えることは教え、共に考えるべきことは共に考えるとよい
・OJTにおいて、基本的なことは、明確に伝える態度は大切です。
・答えが1つではなかったり、ケースバイケースでなかったりする仕事を教える際は、
共に考える態度が効果的です。
・メンターが分からないことは、先輩や上司に助けを求め、メンティーと共に教わる姿勢が大切です。
以上、ご参考にしてください。ご不明がありましたら、お気軽に相談窓口にお問合せください。
メンター制度を導入する際には、日本メンター協会サイト内に導入事例がありますので、そこを参考にしてください。また、いつでも日本メンター協会のご相談窓口は開いております。
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