前回では、メンタリングの初期の段階で、メンターとメンティーの間に「この人とならいろいろなことを話せる」という信頼関係が徐々にでき始めるまでについて、
知り合う段階
相手に興味・関心を持つ段階
に分けてお伝えしました。
今回は、メンタリング中盤以降の、自己開示が進み、悩みやマイナスの感情など、普段なかなか話しづらい内容や、お互いの今後のキャリアについてなど、より深い話をする段階に至るまでについてお伝えします。
【「自己開示をする」段階】
Point:悩みやマイナスの感情など、普段なかなか話しにくいことを話す。
初期の段階では、趣味・趣向など、比較的話しやすい話題を通じて、まずはお互いの雰囲気や人柄などを知ることを目指していました。
知り合うことを通じて、メンターとメンティーの間に信頼関係が徐々に構築できてくると、今までの雑談に近い内容から、より自己開示をして一歩踏み込んだ内容の話のできる段階に入っていきます。一歩踏み込んだ内容とは、例えば、悩みやマイナスの感情など、普段なかなか話しにくい内容などを伝えることを指します。
その際に、メンターの方から、上記のような内容を話して自己開示することが大切です。メンティーも「ここまで話してくれた」とその自己開示に対して感謝し、心をひらいて普段話しづらい内容を話してくれるようになってきます。
【「キャリアについて話し合う段階」】
Point:生き方、将来設計について話し合う。
上記の「自己開示をする」段階を経て、メンターとメンティーの間で、お互いの趣味・趣向やプライベートの話題、普段の仕事の話だけではなく、日ごろ話さないような内容に至るまで、様々な話ができるようになったことでしょう。
この段階になりますと、お互いのキャリアについても話ができるようになってきます。ここでいうキャリアとは、職場内における職能資格のステップアップといった、仕事上のキャリアパスだけではなく、家庭でのことや趣味や地域活動といった、職場外のプライベートでの活動など、自分の人生そのものをどう生きていくかをも含みます。
言い換えれば、仕事・プライベートを含んだ、お互いの将来設計や、生き方といった非常に深い話まで話すことができるようになった段階、とも言えます。
この段階においては、メンタリングにおいて必要なスタンス(態度・姿勢・心構え)である、ペア同士が自分のこと(考え、思い、気持ち、価値観、経験など)を素直に伝え、相手のこと(考え、思い、気持ち、価値観、経験など)も前向きに受け入れることが、今まで以上に重要なポイントとなってきます。
ここまで話せる関係になれば、本当の意味で、自由に何でも話せる有意義なメンタリングができるようになったと言えるのではないでしょうか。
以上の通り、知り合う、相手に興味・関心を持つといったメンタリングの初期の段階から、普段話しづらい悩みやマイナスの感情、さらには今後の生き方、キャリアなど深い話に至るまで話ができるようになるまでについてお話を致しました。
自由に何でも話せるようになるには、前回もお伝えしたように、この段階をクリアしたら次の段階、というように、単純なものではありません。また、人やペアによっても移行進度はまちまちでありますが、ひとつの目安としてご参考にしていただければ幸いです。
メンター制度を導入する際には、日本メンター協会サイト内に導入事例がありますので、ぜひご参考にしてください。また、いつでも日本メンター協会のご相談窓口は開いております。どうぞお気軽にご連絡ください。
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