メンター制度の状況をお伺いして、よく「順調です」という制度担当者からのお話を聞きます。「特に問題はないし、メンタリングを楽しんでいる様子です」というのが、その背景です。
しかし、その多くが趣味や雑談、仕事上の相談になどに留まっているようです。
そのような話もできていない組織もありますので、メンタリングを楽しめているだけでも成果と言えるでしょう。
しかし、そのような中でもメンタリング当事者の感想では、「メンタリングは楽しいけれど、もっと『深い話』がしたい」などの声が上がってくるのも事実です。
では、『深い話」とはどんな話でしょうか。
我々は、「深い話」とは、キャリアに関する話であるとか、人間関係に関する話である、と考えています。
ここでいう「キャリア」とは、単純に職業や技術といった外的キャリアのことだけではなく、「内的キャリア」、働き方や生き方の方針といった大きな捉えで考えています。
「人間関係」に関する話も、「自分自身の在り方」「コミュニケーションの取り方」「組織内の様々な関係性」に関するものなど、さまざまなものがあります。
では、メンタリングでそのような「深い話」をするためには、どうすればよいのでしょうか。
メンタリングで「深い話」をするためのコツとして、2つのステップをご案内します。
【ステップ1】:互いが相手に対して些細なことはもちろん、プライベートなことや失敗談なども話し合える関係であること。
【ステップ2】:メンターが「内的キャリア」や「人間関係」について、日頃、考えていること。
【ステップ1】のコツは、これには、メンタリングスキルを学ぶことはもちろんですが、定期的に「対話」すること、軽い挨拶などちょっとしたことでも気持ちの通う機会を持つことです。
では、【ステップ2】について日頃如何にして考えれば良いのでしょうか。
これは、日頃から「問い」を立てて考え続けることです。
【例えば】・「今の仕事は、自分にとってどんな意味があるのだろうか」
・「この仕事の目的の先にあるものは、何なのだろうか」
・「仕事と自分のやりたいことの共通するものとは何なのだろか」
・「自分は、何のために働いているのだろうか」
・「自分は、組織でどうありたいのだろうか」などなど・・・
以上のように、日頃から、「内的キャリア」や「人間関係」について考え続けていることによって、自然とメンタリングの中で「深い話」が出来るようになり、メンターだけではなく、メンティーの考えや発言の中からも、学びや気づきにつながるメンタリングができるようになります。
「1on1制度」における対話でも上記のような対話が展開されればより有意義なものになります。
ぜひ、ご活用ください。