メンター制度を効果的に運用するためには、メンターとメンティー双方にとって有意義なメンタリングを継続して行うことが重要ですが、メンター側にメンタリングに対する不安を抱いていることも多いです。これでは、有意義なメンタリングにはならないでしょう。
今回は、メンターに任命された人からよくあがる悩みと、それに対して、どのように対処していけばよいかをお伝えします。
●“メンタリングそのもの“や“メンターの役割”がわからない
・メンターに任命されても、そもそもメンタリングに対する理解がなければ、それは不安でしかありません。
導入する組織において、メンタリングをどのように定義づけするかがポイントです。メンタリングに、OJT
やキャリア相談を求めるのであれば、その理解とメンターへの教育が必要となります。また、悩みや不安の相
談をする役割であれば、その役割をシッカリと説明し、不安を払しょくするようにします。
●コミュニケーション自体に不安がある
・メンター制度のメンタリングは対話が中心となります。その際にコミュニケーションに不安を感じることはあ
り得るでしょう。その不安には、2つ考えられます。
1つは、コミュニケーションスキルです。これは、傾聴や共感など、“関係づくりのコミュニケーションスキ
ル”を教育するようにします。
2つ目は、「何の話をしたらよいかわからない」というものでしょう。様々なことを話すことがメンタリング
であれば、何でも話し合えるようなペアの関係づくりが大切になります。そのような関係づくりをするには時
間がかかります。当初は、メンタリングノートなど、メンタリングをガイドするツールを活用することも考え
られます。
●メンティーからの相談に対応できるのか不安がある
・メンティーからの悩みや不安の相談を受けることに、メンタリングの目的を設定する場合は、メンターの立場
からすれば、メンティーからの相談への対応は、不安に感じることは当然のことだと思います。
専門的な対応を求めるのであれば、相応の教育は必要でしょうが、多くの組織のメンター制度においては、
悩みを傾聴してあげたり、メンターの体験を話してあげたりすればいいというのが多いと思います。
その場合は、特別なことは必要ありません。メンティーの話を傾聴して、自分の素直な感想や、失敗談などの
体験談を素直に話してあげればいいのです。その態度を伝えた上で傾聴や共感などのコミュニケーションスキ
ルを教育するようにします。
●メンティーとの相性が不安
・メンター制度においては、メンターとメンティーの信頼関係の少ないところからメンタリングをスタートする
ことがほとんどです。そのため、メンティーとの相性について不安に感じるメンターもいることでしょう。
メンタリングを円滑に行うためにも、キックオフ時にメンターとメンティーのペアでの研修を実施し、ペア
ワークや模擬メンタリングを通じて共に学びながら知り合い、なんでも自由に話せるような信頼関係を早期に
構築できるようにすることがポイントです。
●業務が忙しく、メンタリングに割く時間が持てない
・メンターとメンティーがシッカリと向き合って対話を行うためには、まとまった時間を確保することが必要で
す。時間のない中でメンタリングを行うと、気持ちの余裕もなく表面的な会話に終始してしまうことも多く見
受けられます。
メンタリングは、メンバーとの関係づくりのコミュニケーションスキルが学べる貴重な機会です。
部下の成長につながることを、マネージャーに理解してもらいます。勤務時間中にメンタリングを行うにあ
たっては、上長や職場のメンバーといった周囲からの理解と協力を求めることが必要不可欠です。
●メンター自身がまだ職場定着ができている気がしていない
・入社2年目や3年目の社員をメンターに選定する組織では、上記のような不安を持つメンターもいます。
そのような不安を持っている社員がメンターをやることで、メンターとメンティー共に離職してしまうという
ケースもあります。
離職防止目的のメンター制度の場合、しっかり職場に定着している社員をメンターに選ぶことが大切です。
若い社員の方が話しやすいだろうと、あるいは、後輩育成の経験を持たせたいと、安易に離職防止目的のメン
ター制度に若手社員をメンターに選定すると、目的が達成できない結果となってしまいます。
メンターは、制度の目的に寄与するメンターを選ぶことが大切です。
以上、ご参考にしてください。ご不明がありましたら、お気軽に相談窓口にお問合せください。
メンター制度を導入する際には、日本メンター協会サイト内に導入事例がありますので、そこを参考にしてください。また、いつでも日本メンター協会のご相談窓口は開いております。
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