【古野電気様 メンター制度導入事例 若手社員育成目的】

若手社員育成における僅かな問題を経営課題上の重要な兆しととらえ、管理職層への制度説明会をはじめ、スタート研修、フォロー研修、ステージアップ研修を導入されました

社名
古野電気株式会社
事業内容
舶用・産業用電子機器メーカー
所在地
兵庫県西宮市芦原町
創業時期
1951年
従業員数
連結従業員数 2,978 名(2022年1月)
URL
https://www.furuno.co.jp/
ご担当者ご所属氏名
人事総務部 人財開発課 橋爪 雄一様
導入制度名
若手相談員制度
対象者
メンティー:部門長が選任した若手3年目社員
若手相談員:入社10年前後の社員。いわゆるメンター
メンタリング期間
2年間

Q1.導入前の問題点など

これまでのストレスチェック等の結果では、特に問題は無かったのですが、 コロナ禍発生の1~2年前から 若手社員の育成がうまくいかないという相談が増えてきました。実際に上司・同僚・若手社員それぞれヒアリングしてみると、以下の点で問題があることがわかりました。

  • 若手社員の育成課題を抱えている部門は、指導育成の担当者と若手社員との年齢ギャップが大きい
  • 部署内の年齢構成がいびつで、若手社員が声をかけたり質問できる先輩がいない
  • 上司や先輩が忙しく、なかなか相談したり、指導を受ける時間が取れない等、サポート面での対応に問題がある。

この現状を放置しておくと最悪の場合は、若手社員の離職を引き起こすことにもつながりかねないため、僅かなことであっても、この状況は弊社にとって大きな変化、兆しだと捉えました。
近年は業務の多様化・複雑化に伴い、横のつながりや連携が乏しく、同僚や職場仲間同士での関係性が量・質共に下がりつつあります。そこで社内で対策を始めることになりました。

Q2.なぜ、日本メンター協会のメンター制度を導入したのか

社内のコミュニケーション風土を話しやすいものにするために、1on1(コーチング)制度やメンター制度について複数の他社事例を検討しました。
1on1制度もよいと思いましたが、そのためには互いの信頼関係を作ることがより大切であるという、日本メンター協会様の考え方に共感するところがありました。ただ、それができるのなら苦労はない、とも思っていました。

弊社としては、何よりも大切なことは、社内で本音で相談できる、気軽に話ができるコミュニケーション風土を構築することだと感じていました。
実際に、日本メンター協会/プレスタイム社様共催のメンター制度説明会に参加して、「模擬メンタリング」を体験した際に感じたことは、「メンタリングは、楽しい」ということでした。「メンタリング相手に、もっと自分のことを話したい、本音を話したい、もっと相手の話を聴きたい」という印象を持ちました。

説明会に参加したことで、対話による効果を実感できたことは新たな気づきでしたし、心の内から「話したい」「聴きたい」と思える相手がいるということは大切なことだな、と感じました。
この体験が決め手となって、日本メンター協会様の考え方によるメンター制度をトライアル導入させていただきました。若手相談員(メンター)とメンティの両者がメンタリングを実施して終わりというものではなく、上記のような対話ができる風土を構築することが、弊社が求める「気軽に相談できる、話ができるコミュニケーション風土」を構築することにつながると考えています。

Q3.若手相談員制度(メンター制度)トライアル導入におけるねらいや目的

ねらい

メンティーがメンタリング期間を通じて、若手相談員(メンター)と本音本心で何でも話せる関係を構築することで、社内コミュニケーションを活性化し、自発的で活力のある職場づくりを目指す。その過程でメンタリングのスキルやスタンスを身に着けてもらい、若手相談員(メンター)のマネジメント力向上につなげること。

目的

本制度を定着させることで、結果的に、本音で話しあえるコミュニケーション風土が醸成され、若手相談員・メンティ双方だけでなく、他の社員、あるいは、他の部署へ広がっていくこと。

Q4.御社が目指している職場風土や文化などについて

目指しているのは、本音・本心で何でも話し合えるコミュニケーション風土です。
職場で日々起こる問題や人間関係のネガティブな内容も含めて、建設的な話し合いができる職場風土を目指していきたいです。そのためには、コミュニケーションにおいて社員同士に信頼関係があることが大切だと考えています。

Q5.現時点での制度運用上での成果や効果などについて

制度担当者としての声

毎月のメンタリング内容を把握する制度とはしていないため、メンタリングで話している詳細は把握していませんが、若手相談員・メンティのペアにおいては、仕事に対するモチベーション低下やメンタル不調等の話を聞かないため、メンタリングによる一定の効果を感じています。特に仕事の悩みについて自己解決することに課題を感じているメンティは、よりメンタリングの効果を実感しているように思います

研修における受講者の声

キックオフ研修(メンタリング・スタート研修)    プレスタイム社提供

・メンタリングをすることで自分の振り返りにもなり、自分自身のモチベーションアップにつながる点や、部下の育成に役立ちそう

・人と対話することの重要性を実感でき、後輩との接し方の参考にもなりそう。

信頼関係を構築するスキルはどの分野にも使えるし、人の話を聞き感情を理解しようとする点で役立ちそう。

・価値観の相違については、本心で話し合わない限り分かり合えない所があるので、今後も真剣に取り組みたいし、仕事にもプライベートにも役立つと思います。

1回目フォロー研修(メンタリング・フォロー研修)    プレスタイム社提供

社内外問わず信頼関係を深めるスキルとして役立つと思うし、自分の業務の中でも、交渉や打ち合わせなどをスムーズに行うスキルとして役立つと思う。

・ものの考え方捉え方を変えることで、自分のモチベーションを上げることや、周りとの協力関係をつくるという視点で役立ちそう。

楽しむことで人の捉え方も変わるし、大変な時でも捉え方考え方を変えるようにしたいと感じた。

・仕事で悩んでいるとき苦しんでる時に、特に相談員の方(メンター)の一言に救われました。

・営業所長として複数の従業員の相談を受けることがあるが、今回の研修で習得したことが活用できると感じた。

2回目フォロー研修(メンタリング・ステージアップ研修)    プレスタイム社提供

コロナ禍により中止。

メンタリング実施上の当該者の声

・若手相談員(メンター)の方と正直に話し合う機会を設けて頂いたおかげで、仕事の悩みを率直にぶつけることができて、より前向きに仕事に取り組めるようになったので、とても意義ある制度だと感じております。

・事務所の若手相談員(メンター)の方から意見をいただくことで、普段気づけないことに気づくきっかけになった。相談できる相手がいることで気が楽になる。

・普段業務で関わることがないような方と会話できるので、お互いが知らないことを共有できる機会ができたのが良い。また信頼関係を構築するための練習の場として活用出来る。

・特に営業所は少人数の閉鎖的な環境になるので、社内で話をする相手が限られることがあると思います。そのため、その居場所固有の偏ったものの見方を当然として、そこから抜け出せなくなることがままあると思います。このような制度で部署外の人間とじっくり話をできる機会は、偏った見方を回避する意味で、非常に有用だと思います。

・ざっくばらんに色々と先輩社員と話すことができる機会ができて、普段直属の先輩に相談出来てないことを相談できるようになった。

・メンティと部下が同世代のため、部下と雑談をするのが気軽になったように感じます。

・以前より気軽に周りの人に話しかけられるようになった。

Q6.今後の制度に期待していることなど

まだ立ち上げたばかりの制度のため、若手相談員はメンティになった経験がありません。現在のメンティが将来、今度は自分が若手相談員としてサポートする立場に立候補する・喜んで引き受けるという状況まで続けられると良いなと思います。そのためにも、メンタリングスキルの習得や実施上の悩み・課題については、積極的にフォローをしていきたいです。

Q7.当該企業様のPRなど

私たちは世界で初めて魚群探知機の実用化に成功して以来、レーダー等の船舶用電子機器、ITS製品、医療機器等、商船向け、プレジャーボート向け、漁業向け、いずれの分野でも高いシェアをもち、総合舶用電子機器メーカーとして、世界トップシェアを誇っています。
また、当社の開発・営業・管理・研究部門は兵庫県西宮市に集まっており、生産拠点の工場も同じ兵庫県内(三木市)にあります。そのため各部門同士がタイムリーに直接話ができますし、部署間の壁もなく、活発に意見交換できる土壌があります。このメリットを最大限に活用するためにも、人が新しいチャレンジに挑戦できる風土、人がより成長できる環境づくりに向けて、社員同士がつながりを深め、互いにサポートし成長できる職場づくりをこれからも目指していきます。